テキスト1987
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はとまグリーンカラーは四・五年前から出まわりはじめたが、近頃では一年中見られる花材となった。季節や産地によって、開花したときの花の形や大ききが異なっているが、作例に用いたグリーンカラーは茎もしっかりしており、形の良い花をつけている。よくないものは、花が聞ききって、茎も弱く、花というよりもだらしのない葉のように見える。グリーンカラーの後にそえた黒い実は絵ひ針扇今daの純黒の実である。古歌に、黒髪や聞の枕詞によく使われる、「射干玉」とはこの桧扇の実のことなのである。花材として花屋で見かけることは少ないが、知hBの意味を知り、又純黒の艶のある実の色を知っていれば色々ないけ方のできる花材であろる実物として、初冬の花材の聞にとりあわせることが多いが、艶々した黒い粒は、グリーンカラーのような洋花との対照が美しいので、多量にとっておくと、いけ花展にも堂々と使えるだけの美しきを持っている。花材グリーンカラー桧扇の実(船戸五)スプレンゲリ花器濃紺コンポートグリーンカラー白、「ノ。一般的には、秋の名残りを想わせ11

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