テキスト1987
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流技菊一色立花和則作いっしきりっったのである。菊一色の立花を立てようという場合、まず最初に、それぞれの役枝になり得る自然な枝振の菊が手に入るか入らないかが技術以前の必須条件である。先代は著書の中で、「真直な栽培菊しか手に入らない現今、本格的な菊一色の立花は、もう求めても得られないことではないだろうか」と書いている。だが思うような枝振の菊が充分手に入ったと想像する江戸時代初期においても「流枝になる菊まれなる物なり」(立化時勢粧より)だこの和則の菊一色の立花は‘上野淳泉氏か自分用に栽培しておられたものを使わせていただいて立てた一瓶である。しっかりとした立ち上かりを見せる真に対して請の優美な曲線が見事な均衡を見せている。第三種郵便物認可桑原専疫流いけばなテキスト294号昭和62年12月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行定価L00円か

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