テキスト1987
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ってみた。今年は桧扇を盛夏、初秋、晩秋と季節の推移を追って三回とりあげてみた。九月号には八月初旬、強い日射しの下で咲き続けるかわいい花を、骨太で退しい茎に蓄えられた潤いと‘分厚いしっかりした葉にはぐくまれて毎朝次々に開いて行く姿をいけてみた。この季節には、きれいに揃った葉並びの美しさを生かして緑豊かにいけたい。十月号には‘九月中旬に淡緑色の朔果かふくらんだ桧扇を生花の一種挿にしてみたのだか、この季節には実のふっくらした優しさが生きるよう、本数を夏より減らし、真‘副‘留だけの三体だけにしている。今月号では朔果の心皮がはじけ、中から烏羽玉とよばれている種粒が顔を出した桧扇と季節の推移を追上の花型は九月号に掲載した真夏の桧扇がそのまま結実した姿を想定して五体にいけた。枯桧扇の応びた感じを狙って本数‘葉数を少なくすると‘寂びを通りこして寒々とした貧相ないけ上かりになってしまうので、彩りをそえるために寒菊を使い‘晩秋の株分け挿しとした。花材枯桧扇(烏羽玉)花器貰乳水盤寒菊おお檜ひぎ扇いろど11

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