テキスト1987
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はうようしょうしょうひポインセチア(表紙)ポインセチアも、いつの間にか街に流れるクリスマスソングと共に、十二月の到来を告げる季節の花になったようである。寒さに身を縮めなから歩いていても、ショーウィンドウの中のポインセチアに気がつくと、その燃えるような赤い芭葉の色の華やかさか‘凍りついたような気分を温かくときほぐしてくれる。赤いポインセチアの他に、作例に使ったクリーム色がかった白、そしてあまり多くは見かけないがピンクのポインセチアもある。和名は芍已葉の色が狸々緋(赤の一種)であるところから狸々木とよばれ、たまに短歌に詠みこまれているぐらいのものでなじみのうすい呼び名である。別名をクリスマスフラワーというが、それはごく近年になってからのことらしい。日本でポインセチアか普及しはじめたのもアメリカにならってクリスマス用に売り出されたのかはじまりである。だからポインセチアにはどうしてもクリスマス、そしてその季節のイメージかついてまわるか美しい芍已葉を持つ花材だから素直にクリスマスの花として、華やかなお祝い気分を盛り上げるようなとりあわせと配色でいけた方が良さそうである。2

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