テキスト1987
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真(露受業}鉢植の万年主同は、観賞を目的に育てられているので形が整っているが、山で見る野生の万年青の出生のままの姿は、これで生花ができるのか、と感じるほど気僅に生長している。むき出しの実は鳥についばまれ、実囲いというべき葉も見当らず、立葉ははじめから横向きにねそべっていヲ令。生花として葉組され、形を整えられた万年青は、まるで絵空事のように去、え回心、える。だがその野生の万年青が理想的に育てば、或はこのように生長してほしいと、観察を重ねて出来上がった形が、今日行われている万年青山のいけ方なのだろう。そのいたわりの気持が、露受葉、実囲い、風囲い等役葉の名称を生み出したのだろう。その心をいけようとするのが万年青の生花なのである。固6

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