テキスト1986
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うつわガラスの器の中で最もその特質の生かされているのは、無色透明な肌に鋭いカットがいれられたものではないかと思う。日本でも古くからガラスは作られており、正倉院には、世界最古のガラスの処方が残されているそうである。本格的に生産され始めたのは、江戸時代後期になってからのことだガアス器ろうと思うが、長崎や薩摩、江戸で作られた、ほれぼれするような器が数多く残されている。なかでも薩摩切子の技術の高さは、会に出品しても恥かしからぬもの」と当時来日していたオランダ人が絶讃していた。が聞かれ、ただのガラス器具ではないガラスの本当の美しさを知ることができるようになった。「西洋の展覧最近、各地で世界の現代ガラス展乙乙忙使ったガラス器は、部厚くしっかりした表面にシンプルなカットがほどこされており、安心して使えそうな花瓶である。だが、無色透す別なガラス器の短所として、中が透けて見えるのはいたしかたがない。そ乙でいろいろ必要なのだが、最も簡単な方法は、ガラスのコップを中に沈めて、その上に剣山をのせて、そとに花を挿していく乙とである。剣山に銀色のラッカーを吹きつけておけば、ほとんど目立たない。作例もそのようにガラス器を使っている。アテチョークとグリーンカラーだけのあっさりしたとりあわせが乙の花擦によくあっていると思う。グリーンカラーを使っているので、ほかの葉を使う必要はないだろう。花材アテチョーク(菊科)グリーンカラ|花器カットグラス(里芋科)9

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