テキスト1986
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リアトリスが初夏の花材として一般化されたのは昭和になってからのことだそうだが盛花の立体基本型習得にも適しおり、生花にもよく使われている。乙の作例では直上性をとりあげて水盤の左に五本、前後の奥行をとりながら正面から見てかきならないように挿している。立体の基本型なら乙れが真と副となり、胴、留には例えば緑の葉の豊かな草花、中間、控にはリアトリスの淡紫色をひきたてるような明るい色の花をとりあわせる。無難な配色として考えられるのは白、或いは黄色の花である。作例には五本の・白花菖蒲をそえ、初夏のいけ花として涼感を求めている。花菖蒲の葉は奥行を出すために必要だが生花のように葉を組んで枚数を多く使うと直上するリアトリスののびやかさが打ち消されて重苦しく暗い感じをあたえるので一枚一枚必要な場所だけに掃す。その場合水際が乱れるのでアンスリュlムの小葉等をそえている。リアトリスはあまり面白みのある花ではないが丈夫なので盛夏の頃ガラスの小鉢に三本ほど小さく掃し、カラジュlムの葉をそえた小品花にしたときが最も美しいようである。花材リアトリス(5本)白花菖蒲(5本)アンスリユ|ムの葉(2枚)花器濃緑軸八角水盤8

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