テキスト1986
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、っカ京都は今チャールズ皇太子御夫妻の御来訪で賑わっている。今朝の新聞で見ると御宿泊なさる大宮御所の室内には京都植物園の木幡園長の選定で大手控が飾られるそうである。植物園にはしなやかに横枝ののびた大手誌が幾株か植わっている。そして今が一番美しい頃ではないだろ大手越は忍冬科の英蓮属の落葉低木である。古い書物には繍笹と書かれている。今から二百五十年ほど前に中国から渡来し、幕末頃の立花図に大手笹を使った作例もでてくる。花材としてはパラ科の小手越のように切花用に栽培されているわけではなく、庭木を切ってくるか鉢植を使ったりする程度である。作例では鉢植の大手強を使っている。若い小きな木なので成木のようにのびのびした姿のよい枝ぶりではないが、かたまって咲いた純白の花の色が黄色のカラーのみずみずしさを明るく鮮やかにひきたてている。とりあわせは大手琶の花をできるだけ多く使ってうるおいのある白きを基調にして他の花は一色、或いは紅色のパラとピンクのパラといった同種で同系色の配色で意図のはっきりした色彩構成を求めたい。なお花材としてはあまり水揚げがよくないのでよく枝ぶりを見きわめてから切りとりすぐ一度水切りしてから手早くいけなければならない。おおでまりすいかずらかがまずみこでまりしょもつ2

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