テキスト1986
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カいどう開催されたH花のエロスH展が終って一ヶ月ほどになる。この写真はいけてから三分咲きほどになった三日目の伎撮影した。柳の芽もやわらかな緑にふくらみはじめ、桜の花の色と柳が素性法師の和歌のようにまぎりあってきたところである。今年は三月中実、い日が続き、梅、桜の開花もおくれた。京都ではふつう四月四日頃が桜の花見なのだが十日すぎまでずれこんだようである。そのかわり少しおくれて咲く桜と梅が一緒に満開になったので例年より一ときに沢山の花をみることができたのではないかと思う。京都には桜の名所は多い。見わたせば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりけるといった風景は樹木の多い京都市内の到るところで見られる。或いは京都に限らず日本中どこでも見られるありふれた春景色の一こまなのかもしれない。だがいけ花で柳と桜をとりあわせる例は案外少ないようである。主婦の友社で刊行された花材別いけばな全集の第4巻は桜と海業となっており、それらを主材にしたいけ花の写真と古図が百六十点ほど掲載されている。その中には柳と桜をとりあわ大丸ミュlジアム(大阪梅田)での立+化柳i桜:6

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