テキスト1986
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相P雪〈表紙の花明かるい緑の背景に暗緑色のアロカシアの広い面、松の細葉。そこに白い胡蝶耐と白い花器が加わると晴れ渡った五月の緑蔭を感じる。この写真のいけ花を、絵空事といってしまえばそれまでのことだが私達は写真で見るよりももっと現実に深みのある色彩に常に接していながら見すごしてばかりいるのである。庭に咲く一輪の椿を見つめて感じる美しきは万人平等である。だが少しはなれて眺めるとあたりの状況にその美しきが著しくそこなわれていることに気がつく。そこでそれに手を加えて本来あるべき美しきをとりもどした上で部屋においてみようとするのがいけ花だといえる。だから切ってきたままの姿だとはいえないし、飾ってみようとする周凶の環境もととのえなければならない。いけ花はその人の暮らしの表現だとも言える。花材胡蝶蘭、白花器花が終って若葉の出はじめた苔桜の小枝を主材に季節の花をあしらった四月下旬の盛花である。終りに近2頁上葉桜の淡ピンク3頁上白山吹い較椿は小型で濃紅色。手入れされた跡のないところを見ると多分山あいの村に野生していたものだろう。左半分は葉桜の小枝と厳椿で配色をおさえ、右側は大きな白い花弁の鉄線と小粒の白花のむらがる満聞の雪柳を使って左右の明暗を浮かびあがらせてみた。花器は直径の大きな浅い水盤を用い、各枝は前後左右に低く這わせ、床の間に飾っても上から術轍するような花型にしてみた。白山吹は黄金色の山吹と似ているみすが花弁の数や葉のつき方の異なる水っかりしていて賞花の山吹のように垂れ下がりゆれ動く風情はないがその白花の清楚な美しきが好まれる。いけ方としては張りのある曲線を生かして和種の花をあしらいたい。3頁下南太平洋の木彫の食器にアマリリスをいけてみた。高く使うよりも低くいけてみると濃紅色がより強烈に感じられる。余分な配色をきけて、白アマリリスと淡いグリーンの員母でやわらかみをそえた。アマリリス−"\~~, −・〈,. ・;1 量、木科の別属の花である。枝ぶりはし』込A“二,M守・0,"1タ?『吋’・4,!._Ir• ,• ’↑2頁上へ3頁上←3頁下母も葉桜椿鉄線白鉄貝母盛花〉山吹アマリニ松ア角ロ青5カ白シ色ア深鉢事支線(白・紫)リス(赤・白)花器花器花器':~. T,., ~.·j;袖ヂベ~"':....い・4・へ祉褐色粕水盤灰緑色粕花瓶木彫亀形水盤貝f2 '

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