テキスト1986
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なhvちょっと四月の半ば頃、京都も一寸町を川はずれるとかわいい家の垣根に雪柳の花が咲いている。一つ一つの花は小さなものだが一斉に咲き揃うと何ともいえぬふくよかな柔らかみがある。十二月、一片、二月、三月と細々と怒さに耐えながらまるで小魚の骨のようだつた枝によくこんな豊かなうるおいが残されていたものだと感じ入ってしまう。乙の作例の雪柳は三月初旬清一ヨ温室にいれて季節より早自に花を咲かせたもので四月の雪柳ほどの豊かさは感じられない。それでも年の暮にお正月用の花材として売られている雪柳より幾分かはよさそうである。枝の曲りをそのまま気楽にいけた雪柳に、子株にはプリムラ(西洋桜草)をそえてみたが、その自然な姿をとどめたいので形は少々くずした副流しにしている。花材雪柳プリムラオ。フコニカ花器天目紬水盤三Lーァー真見越相P6

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