テキスト1986
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おきびてあれか火消壷H蟻火を中にいれ蓋をして空気をたち乙れを消すための壷。ー広辞苑|蟻火とは赤く燃えさかっている炭火の乙とである。家庭から火鉢がなくなり木炭を使わなくなった現在、火消壷には説明が必要である。だが民芸品屋には使いもしない筈の火消壷が売られている。大ていは本来の用途とちがった使い方をされ吃いるのだろう。私には火消壷としか見えないが、見た乙とも、勿論使った乙ともない人達の自にはどんなものと感じられるのだろうか。民具といえば先日家の近くで緯国の古い家具類の工芸展をやっていたので見に行ってきたが素朴でどことなく危っかしい卓や棚にまじって、石彫りの小さな手熔りが出品されていた。どれも使いこまれて黒光りしており、花を挿すのによさそうである。でもそのうちすっかり姿を消してしまうものだろう。乙の火消壷には色々な花をいけている。ひっそりした秋草、上品な白椿、それに案外派手な洋花のうつりもいい。パラの葉を盛りあがらせたうねりで動きをそえてみた。花材パラ(濃紅色・黄)雲竜柳花器黒火消壷(陶製)火消主壷ひけしっぽ4 '// . ,〆r ・上に花を配置し、雲竜柳のやわらか子、:/{\ / # /\

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