テキスト1986
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己でまりahv家に戦前からある小さな花器で、前に並んだ二個は円が三つ、後のは四つ挿し口がある。(高さ日佃)父が親しくしていた陶芸家の作ったものだそうで他にもう五本ぐらい変った小型花瓶が残っている。最近あまり使ったことがないようなので三個にラッパ水仙と小手墜をいけてみた。左の前の花瓶にはラッパ水仙三本、右側には小手建三本に細い小枝を一本そえ、一本。寄せ筒型式ともいえる自由花型である。花瓶にくらべて少し花型が大きいように見えるかもしれないが小型花瓶でも三個使えば相等しっかりした花がいけられる。こういう寄せ筒型式の利点はそれぞれにいけたものをあとで自由児動かして拡げたり重ねあわせて前後の奥行や、左右のからみあいを演出し直せると乙ろにある。今回の」尽の冬の旅・協賛いけばな展。でこの型式の連作を試みたが前後が深く、間口も広い花一郎に力強く、見ごたえがあり好評であった。乙の作例でも左側の一番前のラッパ水仙K右後から出た小手琶がからみ、真中後のラッパ水仙が深い奥行を感じさせ、水盤でいける盛花とは少しちがった立体感を作っている。乙乙で使った多円形花瓶の原型は古い創作花器真中後にはラッパ水仙ヨーロッパのものだそうで昨年の5月号の孔頁に使ったマジョルカの花瓶がその一つである。こんな花瓶にチューリップを挿したのでチューリップ花瓶とよばれているという人の話を聞いたが真偽の程は確かではな 花材小手強ラッパ水仙花器小型多口花瓶3個3

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