テキスト1986
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たきダ、はん榛の木もそういった雑木のあぜ花器雑木とは木村や庭閑樹としての利用価値が少なく、薪にされるような木のことだが、いけ花では野趣のある花村としてよく他われる。以前は凶んほの畦道に並木のように植えられ、そこに引をしばりつけて稲を干しているのが晩秋の出園風景だった。下枝は切りはらわれ、てっぺんだけ枝を残すが、それも毎年刈りとるので低だらけの奇怪な姿になっていた。いけ花に悦われはじめたのは戦後のことで開花期や葉の繁っている昨季には他わず晩秋孫葉してから小枝の先に実がついた頃だけいけられている。花材としては同じ榛の木属でも実の大きい夜叉丘倍子が多用されているが、あまりねばりのない木なので生花として形をつけるとき、きつい携め方はしない方がよい。又黒褐色の実と枝は一位いけにすると余りにも銭、々とした感じなので根締めには明かるい色の花と新鮮な緑の葉をそえたい。作例には千両をとりあわせてみたがいける前に古葉をつみとり形をととのえておく。冬枯れの雑木も丁寧にいけてみると中々味わいのあるものである。花材榛の木千両黄土色花瓶ゃしゃぶしぞっき雑木一位で11

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