テキスト1986
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に問Uにすることもできるが、なるべく花の種類は少なくしたい。アネモ、不の花は色が少し弱いのでアクセントに透百合の鮮黄色をそえてみた。これ以上花の種類が多くなると色の収拾がつきにくくなり、霞草でもそえて胡麻化さなければならない。それではいけ花としては安易にすぎるよう2頁にはポピlを使ってみた。暖かな部屋にポピーがいけられていると、それだけで満ち足りた豊かな気持になってしまう。’っ。短い毛の密生した袋をかぶっている。花を傷つけないようそっと破りとってやると、薄紙をまるめたような花弁がでてくる。そしてみるみるうちに織がのびて聞ききる。茎も細く弱々しそうに見えるが、水場げもよく日もちのよい花である。のだが、短い枝をくみあわせ、しっかりとめてからポピーを加えた。えたもので参考としてのせてみた。花屋から届いたポピlの菅はまだとりあわせたのはユーカリの実な左の作例は表紙とパ、不ルの色をか左下の作例は同じ形の白い花瓶六本を二段につみ重ねて南天の実、千両、枝垂柳にモンステラの葉をそ植えた少し大きめの一件。床に垂れた柳の細枝の捌きが美しい。同じ花器を多数使用して花をいけることは古くから行われていた。六個つみ重ねていけてみると相当大きないけ花で、会場向きのボリュームとなる。上にも下にも花を挿せるので変化の多い花型を求めることができるが、安定という面でもう少し考えなければならないようである。この花器は白磁で嫌味がなくて大変いけやすい。カラフルな洋花にも色のさしさわりはないし、和風で静かな花の季節感を出すのにもよい。一月号にはユーカリとパ一フの生花を試してみたが無理なくとめることができる。いわば万能型花瓶である。花瓶をえらぶ際数々の選択の条件が考えられるが、花がとめやすいかどうかをよく検討してみる乙とも大切である。色〈川い、形が気にいっても、とめにくい花器はつい敬遠して使うことが少なくなる。いけやすさの条件としてまず安定のよさ、花瓶なら口の大きさが適当であることをよく見きわめた上で各自の好みをとりいれたい。3

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