テキスト1986
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’hLm 第三便物認可桑原呼底流いけばなテキストMm郵m号昭和引年目月1日発行(毎月l回1日発行)桑原尊慶流家元発行花ごころ桑原専慶流展桑原素子出品作花材花器今回の、桑原専慶流展の入口正面にいけられた実物二種を使った大作である。作風としての特徴は、まずのびのびとしていること、そして量感が非常に豊かなことである。珍しいほどよく実のついた木瓜と椅桐だが、その枝をほとんど切り縮めることなく、そのままいけ上げるというのは中々難しいものである。よい枝を、より良く、自分の考えている形に無理にはめこもうとすると、大抵の場合のびやかさや、豊かさを失なって、ただの大きな塊にすぎないものになってしまう。よい枝はかえって生かし難いともいえる。このとりあわせに、白花の木瓜がそえられているが、これが全体を上品に引き立てる役目を見事にはたしている。花器は森野泰明氏が、昨年、日展系の新工芸展に出品しておられたもので、黒地にプラチナを焼きつけ、そこにエメラルドグリーンの模様がつけられている。この器にあう花材ということでとりあわせを考えた実りの秋の豊かな表現である。定価五OO円銀椅::木白彩桐1瓜木肩の瓜壷実

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