テキスト1986
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第三種郵便物認可桑原市守底流いけばなテキスト加号昭和白年日月1日発行(毎月1回1日発行)桑原尊師皮流家元発行仏手柑の古名は加布知というそうである。元禄十年に刊行された本草書「本朝食鑑」にも記されているというから、そのずっと以前に渡来していたのであろう。仏手柑は寒さに弱いので、気候が温暖な場所で栽培きれ、関東では房州、関西では紀州に限られている。従って生産量も少なく、貴重な果実として珍重され、文人調の盛伽、或は他の柑橘類の枝にとりつけて投入に正月前後の花材として使われてきた。作例には、まだ緑色の仏手柑を使って、文人調のいけ花とは少し趣のちがった花型を考えてみた。仏手柑の特徴は勿論手の指のような形にある。そこを利用して、何人もの手をあわせたような形に連らねると、大変奇異で強い表情にまとまる。この緑の仏手柑に、白に緑のまじったアンスリュlムを配し、緑色のアロカシアをとりあわせると、緑一色で階調の変化を形よくまとめることができた。花材仏手柑アンスリュlム(白緑アロカシア花器土色金彩花瓶定価五OO円かふち更に暗加布知

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