テキスト1986
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たわどと穂を包んでいるょ葉うしよ鞘・フをむくと、中から緑色がかった、みずみずしい白さの花穂がでてくる。ダリアは淡いピンクで、真上にのび上がるパンパスの足もとを三輪でまとめ、残りの二本は左右に角度をかえてきし出し、細長い花型の窮屈さをやわらげている。パンパスが、色調と花型の安定をたもっている。他の花の色彩をくっきりと浮かびあがらせる花材だといえる。だが形に変化がっけにくいという欠点ももっている。に切り分け、低くかためて使ってみ上からパンパスの白、、ダリアの淡いピンクに続いて濃いピンクの花器パンパスは、それ自体も美しいがふつう、穂の中ほどから上下二木たり、穏を左右にひろげたり、垂らして変化を求めるが、な雅味は大して感じられない。結局、主材としてよりも、仙の花の色をひき立たせるための背景として用いるのが最も有効な使い方だと言えそうである。乙の三カ月ほど、朝、静かなうちに書き物をしようと、暗いうちに起きて机の前にすわっている。薄の穂のよう私は睡眠時間の短い方で、早起きは苦にならない、というより早起きが好きなのである。勅使河原蒼風さんは、「人間三時間寝れば充分、君達は寝過ぎですよ」とお弟子さんに言っておられたそうだが、いい言葉である。犬は、寝たいだけ寝かせ、食べたいだけ食べさせ、暖かくしておいてやると駄目になるそうである。朝スァ日高花人間だって同じ乙とである。だから私は、仲の良い友人以外で、朝ゆっくり起きるのを楽しみにしている男は軽蔑するよう心掛けている。女の人は美容上八時間以上の睡眠が必要だというから、勝手に寝ていればいいが、その説は多分、朝寝の好きな医者の戯言にすぎないと心の底で思っている。私に早起きの習慣をつけてくれたのは父である。歩けるようになってから毎朝散歩につれ出されたが、私もそれが嫌いではなかった。以の早朝は波も静かで水が澄んでいる。海岸まで五分ぐらいの所に住んでいたので、山勤前の父とよく泳ぎに行った。付が一桁だった乙ともある。円凶日の朝はやりたい乙とが一杯たまっているのでとくに早かった。できあがった模型飛行機を飛ばしに行きたくて、薄町いうちからエンジンの試運転をはじめて隣の家から文句を言われでもやめられなかった。したいことが沢山あって、自然に目がさめるのは雫せな乙とである。夜中にくたびれた頭で考えるより朝、目がさめた時の方がずっと明るい乙とを思いつく。乙んな暮らしを続けているが、別に人生をうまく渡って行けるわけではない。ただ楽しく、自分自身が幸せを感じているだけなのだが、これからも朝を美しく迎えたい。ンノマ,、/\’ タ‘ノーチラス型花掠9

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