テキスト1986
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辿の花は早朝に聞きはじめるが、第一日目は、少し問いただけで、時引には閉じてしまう。最も花の形と色の美しいのは二日目の朝で、ととのった姿で畳引まで聞いている。8蓮はす三日目には更に大きく開花するが、少し色があせ、花弁が脱落しはじめる。そして四日目には朝開いた花が散りはじめ、午後には花托だけ残して花弁は全部散ってしまう。一輪の花は四日間少しずつ様相をかえながら咲き続けるが、いずれにしても早朝の花である。表紙の花は、七月の末、「京都花ごころ昧ごころ」のカラ1ページの料理にテーブルの小品花としてそえたものである。ふつうに、起の小葉をそえたのではガラスの器に対して色が濃く、重い感じなので、淡白なカラジュームで清涼感をはっきりさせてみた。二頁の作例は、蓮池の横に植えられていた杜若の葉と実を主材にし、辿の花を色として根締めのような形で倣ってみた。通の花は自然感を尊重して、業や蓮台をそえるより、他の観葉植物をそえた方が色彩は鮮かな現代調になるようである。表紙の花(師通科)カラジュlム(里芋科)花器ガラス水盤2貰の花花材辿カラジューム社若花器染付大水繋花材通2

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