テキスト1985
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-薄花奇いしもつ吋そうアリウム(丹頂)京鹿の子(下野草の一程)ラ(赤)花器かせ嘉靖大水盤ガラス探鉢生花には出生の姿を・つつしとるということが基本的な条件となっている。真、副、留の三点の構成の中にあらゆる草木をあてはめようというのであるからその草木の自然の位育形態をもり乙まなければ全くの絵空事になってしまうおそれがある。実際おどろくほどすべての草木が観察しつくされ、その自然の姿が伝書に書き残されている。それに従っていければどの草木も理にかなったいけ方ができるし、たとえ伝書に記載されていない花でも同系統の花に応用する乙ともできる。ととろが最近私達の手にする草木の種類が飛躍的に増加し伝承の範囲外にあるものでも生花としていけてみたいものも数多い。伝承にないものでも簡単に生育状態のわかるものはその姿を,つつしとれるが、切花として輸入されてくるものの中にはその向然の盗の知りょうのないものもある。もしその花をいけるとすればできるだけ自然に見えるようにいけて下さい、というより他ない。乙の頁の作例に用いたアリウムは丹頂という栽培名で季節には花屋に沢山出まわっている。百合科の鶴居の花である。当然葱のような筒状の葉もついているのだが問題はその葉なのである。花の咲く頃はひどくいたんでいるよに葱の異臭がきついので折角丁寧に形よくいけても葱臭い生花では零囲気も何もあったものではない。だから葉をとっていける乙とにしている。そうしておいてうす紫のアリウムの花とよくあう深紅のパラをとりあわせて華やかな色彩を見所とした生花としてみた。夏向きにガラス器にいける生花には外来種の明るい色彩の花材をよく使うが、その花の性情をよく見きわめ、型だけの生花に終らせず、自然な姿と感じさせるようにいけたいものである。睡蓮型と出生ノイ・・ー9

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