テキスト1985
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えぞすみしゅりすげよりひめ歳時記では宵Anは五月の花の部にいれられている。神武天皇が伊須気余珂比売(皇后となられた)の家をお訪ねになると近くの河辺に佐章(百合の古名、笹丙ANの乙と)の花が咲き乱れていた。そとでその川を佐章川と名付けられたという話が古事記にのっている。哨れやかな五月、清らかな笹百合の咲く河辺で若い神武天皇が伊須気余理姫を見染められたのだろうか。古事記も昔話として読めば案外楽しい物語りが見つかるようである。世界中に分布する百合の原種は九十六程だそうで、そのうち欧州十二種、北米二十五種、日本十五種、日本以外のアジアに四十四程とされている。国土の広さから考えれば日本は一円介の宝庫、或いは十円代の閑といってもいいのかもしれない。参考のためその十五種をあげてみると、山百作、作さく百申合り、笹百合、乙女百令、岩戸百合、う受吋百,合ゆり、た挟もと百ゆ合り、鉄砲行什、鹿の子百合、姫宵A門、官十円作、蝦夷透丙A円、鬼宵A円、小鬼丙令、車百合等である。これらの百合の自然開花期は六月が中心になっているようなのでζ乙町くは香りの高い野の百合をいける乙とができる季節である。作例に刑いた鹿の子十円AHの向然開花期は七月巾何という乙とだが、花〉百すけも大きく、五月初旬に花屋に並べられていたと乙ろから考えると改良された園芸品種なのだろう。葉があまりよくないので短く使って椋欄をそえている。右斜前に掌をひろげたように一枚尖き山し、左斜後になびかせるように水平にはり出すと、前後に大きな空間ができる。その空聞に大輪の開花三輸をゆったりおさめるととができる。花器は不透明な赤のガラス器なので剣山を使ってとめている。〈表紙の花黄色いハイビスカスの花は直径回センチもある。温室内では一年中花をつけているが、いけるとすれば鉢植のものを切ってすぐいけるか、小さな株なら根洗いで快うとよい。花は一H花だが苦は水さえあ永ければ次々と開花する。アリウム・シュlベルティは葱属最大の花で、その特異な形には強い色彩の花がよくあう。そして放射状にのびる花の盗をくっきり見せようとするなら重なりあわないよう、はなしていける。ハイビスカスと二桔類だけでは形が単調なので右下と左奥にフィロデンドロンの葉を用いて形を整え、奥行をつけている。花材ハイビスカスアリウム・シュlベルティフィ口一アンドロン花器中東民芸花瓶−Ur.mの子百合椋欄の葉しゅろ花器朱黒ぼかしガラス器ム、口3

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