テキスト1985
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アカシアップ(ピンク)花器イラン民芸花瓶乙のチューリップはオランダ産の特大輪が聞ききったものである。淡いピンクの花は直径がおセンチ近い。大きすぎて一す見ただけではチューリップなのかどうかわからないくらいだがそのみずみずしい美しさと四月の陽光を深々と吸い乙んだようなアカシアのふさふさした黄色をとりあわせてみたくて買ってきた。黄色の花で木全体が覆われるのはアカシアの他にさ山ん菜しゅ貰ゆ、れん連ぎ麹よう等がある。山菜貰は投入や盛花にあまり使った乙とはないが、いずれもふんわりと軽やかにまとめてみると黄金色の宴のように見える。大木にゴールデンシャワーという樹がある。大きく房状に淡黄色の花が木会体をおおうように咲く。名の通りゴールデンシャワーといった感じの派手な花で一度いけてみたいと思っているυ作例ではよく花のついたアカシア五本のうち三本は左に流し、二本は立直ぐ立ち上がらせてから枝先の花を前方に花器のUまで垂れ下げ、その後に大きな空間を作ってチューリップをまとめてみたυ花訴の高さは必センチ、アカシアの一番長いのは約1メートルほどで中作といっていい。いけ花展への山口問作程度の大きさである。校数を多く使い、アカシアの黄色さに量感をもたせたい場合は葉を全部とった方が色あがりがよくなるοインド原産の(黄金の雨〉はなぷりチ花風||形と乙乙ろーーー森川什先生は寺町の丸太町を上がった所にある京都市脱出入資料館の館長をしておられる。一度伺ってお話しした乙とがあるが大変愉快な方である。初対而だったが思わず話しこんでしまって随分長居してしまった。今度『花はなぷり風』という本をお出しになった。乙れは、大阪の朝日カルチャーセンターで一九八二年春に「花の文化史」という講座を聞かれたがそれをおまとめになったものである。わかりやすい文章でいけ花の歴史、恵まれた風土の中で独特の自然観によってはぐくまれた花の霊性と美しさを見事に表到するに至った道程を許き記して下さっている。そして現代を代表する花道家の一人として先代専渓のととも興味深く説ませていただいた。いけ花の歴史に関する本は色々山ているが、花道全般の一部として大型の全集の中に収められているものが殆どで、執筆者も科専門の分野を思い忠いに書いているのでまとまった知識をねることが難しかった。その点からもお奨めできる本である。朝日カルチャーブックス必大阪引け籍先行森谷魁久著ニエ5

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