テキスト1985
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ガフカフス花瓶赤芽柳ベラ花器た色彩とシンプルな幾何枚織の染付の花器はよくあっているようである。この頁の作例の赤芽柳とガーベラに無色のガラス花瓶も染付の花瓶と形が似ているし色も至極あっさりしたものである。カラフルないけ花には乙んな花器は大変使いよい。乙のいけ花ではガーベラを臼木、そのうちオレンジ色を三本使っているので、オレンジ色一本を後に少しだけのぞかせたこ頁のいけ花の配色より濃厚な感じを、つけるが、斗亦芽柳の芽の銀白色でやわらげられている。そして乙の二つの作例では珍しく緑の葉をとりあわせていないが、その代りに花器の清涼感がそれを補っているといっていい。いけ花を修得して行く過程で、芯木花型は十日くからつくられていて、くり返し栴古するが配色の方はどう考えられていたのであろうか。形の見えるものには必ず色もあるのにそれについてはあまり解説されてきていない。引代ほど多杭多彩な花がなかった江戸時代は白黒の木版画に花材名を記入するだけで光分事足りたであろう。色彩の構成にはあまり開立する乙ともなかったようである。季節の花をごく円然にいけていればそれでよかった時代が過ぎて、ふーでは作られた花の色彩は豊富になり過ぎている。素晴らしい色の花も配色によっては企然冴えなくなってしまう。いけ花の配色はまず二部だけのとりあわせで始め、どうしても物足りない場合に一種だけ少しそえてみるのが基本である。とりあわせを花屋まかせにしておくと五栢類も六店類も持ってくる。三椅でもむずかしいのにその上余分な花をそえられたのではどういければ良いのか私にも返符しかねる。二積乃至三程の花で色彩に対する感覚を厳しく磨けばどんな花でもいけこなせるようになると言いたい。ti、ペJ3

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