テキスト1985
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ラナンキュラスは色彩が美しい上に可愛らしいので中々人気のある花なのだがいけにくい花である。花屋で束になっている時の印象と即大色’臼いけようとして一本一本手にとった時の感じとは大分違うことに気付く筈である。美しく見えた花の色も他の花の問にとりあわせてみると案外弱々しくて目立たない。茎は細くはないが柔らかそうで、葉のつき方が貧弱である。そのように観察してみるとラナンキュラスはかためて一種いけに向いた花のようである。作例では直径おセンチの大きな白い皿に、同じ白の小さな菓子入れの深皿を置きそ乙にラナンキュラスを低くいけ、上から的敵するような形にいけてみた。乙ういけてみるとおとなしい感じのラナンキュラスも大景として鮮やかな色彩が浮かび山てくる。どうやらこの花はかためて一ス−フニLキンナ−フ種いけにし、花器は白、あるいは花の色と同系色ではない淡色がよくあうのではないかと考えられる。ラナンキュラスやアネモ、不等金者んぼ鳳う和科には野生の可愛い花も多い。これから少し暖かくなってくるとまず山地の林の下K福寿草が三月から四月にかけて咲きはじめる。私の家でも鉢植えを庭に移したのがもうすぐ咲きはじめるだろう。節分草も同じ頃小さな向い五弁の花を咲かせる。翁草は四月から五月山野の日あた白さを背mのりのよい草地に見られる。大分先になるが五月には近畿地方で風車(鉄線の仲間)の野生を見る乙とができる。奈良県の大宇陀町では杉や桧の下草に巻きついて咲く。あたりは「風車自生地」として保護されている。長い間行った乙とがないが大きな淡紫が群生しているのをいつかもう一度見に行きたいと思っている。花器9

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