テキスト1985
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けK限らない。通りすがりにふと見晩秋の紅葉、美しい枯色はそれだかける知らない木の枯葉の色に心をひかれることもある。乙乙にいけた枯葉もよく見ると蝋梅だというととがわかったのだが、草色から除々に白っぽくなり黄色、茶色とやわらかい色調に変化している。とりあわせたパラは陪赤色で白い海芋とは明暗の差が大きいが良い配色である。乙の二色の花と花器の黒っぽい竹篭とのとりあわせをまとめているのが蝋梅の枯枝である。まだ半分ぐらい緑を残し枯れ落ちる寸前といった風情には初冬に入った頃の季節が感じられ、パラ、海芋という色彩本位の無季的なとりあわせに自然の息吹をそえている。(上)海芋パラ(濃紅色)蝋梅枯葉花器・竹篭(下)ここに使った胡蝶聞と梅は、NHK婦人百科・一月号の作例写真として掲載するためにいけた時のものである。その後水切したりしながら色色白々といけかえて飾っていたが、このテキストの写真をとった日月紅白にもう一度いけなおしたものである。梅がよくもつのは当然なことだいけかえと手入れが、しおれやすい胡蝶闘でも、いけてからの手入れをとまめにやっていればこんなに長い間美しさを失わないのである。最初印佃あった草もω日近くたった頃には初叩、ついていた花も二、三輪残っているだけである。いけかえたり、手入れするのは面倒な乙とだが、もし花が私達に何か語りかけてくれるならそんな一時の間のととだろう。十輪以上枯葉花栴ー胡器文蝶字闘焼菊(締ピ花ン瓶ク10

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