テキスト1985
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時ととがす末藤豆やぶさんざし此鉱山査子が最も美しいのは秋K実が真赤に熟した頃である。生花は勿論投入や盛花にも好んでいけられるω生花としては一粗いけよりも白椿や白菊ととりあわせていけた方が実の色がよくひき立つ。枝ぷりは暴れたものが多く「草」の花型に向いた花材である。藤色とよばれる春の優雅な花の房も秋になると位びた豆の実が下がる。そこに菊や椿のように花も美しく葉の緑のゆたかなものをそえると秋の静かな野山の風情の感じられる生花となる。挿図のように単純な枝ぷりでなくもっと曲りくねった蔓と実の配分を考えると乙ろに面白味がある。副流し枝物の生花で草型の留流しと副流しの稽古を見ていると幾分か副流しの成績がよくないようである。理由として考えられる点はまず副を長くいけた上に留も長くしてしまうこと。次に副の出口が低くなる傾向が見受けられる。其の高さを心もち低くとって引をのびやかに見せるζとも忘れてはならない要点である。内副の内という語は生花を床の間に飾った場合真中にかけられた掛軸をよけて左右のどちらかに寄せておかれる。その場合留側が掛軸の方に向けられる。床の間の中心に向かって内側になると乙ろから南側にふり附されるとの枝を内副というのである。上の夏櫨は一本の枝そのままを秋の姿らしく枝葉を切りすかして形作った。留には山路の杜鵠草をあしらった副流しの花型である。花器には白磁の壷を用いた。薮山査子内副流しf員37 夏5撞2姫2柾3

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