テキスト1985
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金ー黄金lこがね。銀l白金|しろがね。鉄ー黒金|くろがね。銅ー赤金iあかがね、と我々の祖先達は金属一切を金(かね)とよび、色によって区別していたらしい。四つの色の金属のうちピカピカに磨きあげたときの色で一番好きなのは銅である。色にあたたかみもあり私達が何か作るにしても細工しやすい金属である。今回の会場となった東山山麓のピルの大きな外壁は白に近い灰色で真夏の太陽をはねかえしその一画だけがまぶしいくらい明かるい。八月三日1七日屋外いけばな展ここに磨きあげた銅鋲の木の葉をもっできたらどん・な輝きをみせるかためしてみたくて作ったのが今回の出品作である。日ミリの銅鉱を木の葉の形に切りぬき、その面が乱反射するよう槌目をいれマンザニlタの枯枝に一OO枚ほど取りつけてみた。でき上がったものを照り返しのきついピルの前庭においてみると銅銀の木の葉は予期した以上輝き、お互に反射しあって真夏の屋外作としての意味はあったようである。それにしてもいけこみ中はものすごい暑さで、銅の輝きもさることながら私も和則も一日で赤銅色に焼けてしまった。花材マンザニlタ・銅銀金同

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