テキスト1984
95/137

デンドロビュlム・ファレノプシス(白・赤紫)朱色ガラス花器葡萄の葉紅十川出ルコ桔組花器(べにづ祉関草(ほととぎす)茶色手付深鉢鉢植の葡萄を根洗いにして使ったのが乙のいけ花である。つけられていた札にはキャンベル・アlリlと記されている。木は強健で病害の発る)生の少ない種類なので鉢植にも向いているのだろう。実は赤くなったのと、まだ緑色のがまじっていて色に変化があるのでいけあがりが平板にならないところがいい。その上県物屋で売られているような形のととのった房ではないのも気に入っている。鉢には合成樹脂製の支柱がつけられていたが、家に太い葡萄蔓が残っていたのでそれをとりかえ、自然な形にみえるようにしている。まず鉢植の葡萄の蔓の形をよく見きわめ、その形にあいそうな太い葡萄の蔓を抹しておく。大きな重い剣山に長さ日佃、かりした枯枝を金槌で打ち乙み、それに支えにする葡萄の太い誌をくくりつける。そ乙へ根洗いした葡萄の株と克をからませるのだが、目立たない所を細い針金でしばって開定させる。乙の主制に用いる葡萄の根は相等大きな場所をとるので、花器は砂をいれた上児、大型の剣山が三つのせられる位の大きさと、深さのある手付の鉢をえらんだ。花器に房付きの葡萄が安定させるのに手間がかかるが、あとはとりあわせの花材を考える乙とKなる。作太さ川mほどのしっほととぎすべKづるみも白例では濃紫、淡紫のトルコ桔梗に社闘の葉と紅蔓をそえてみたが、ほかにも色々な花材が考えられる。バラだけを三色。パンダの紫にアロカシア。お化けアンスリュlムの向っぽい色等は色彩を主にしたとりあわせといえるし、狗えの尾ιろ草fさに初秋の草花をもってくれば季節感のある自然剖ないけ花にもなる。秋になると実物の花材が多くなってくる。形よく実のついた枝はどうしても枝先が重くなりいけにくいものである。もし水盤にいけるなら、大きな剣山でも一つだけだとすぐかたむいてしまうので、三コほど板に打ちつけて使うとよい。重たい主材の安定が悪いと、いける途中で何回もやり直しをしなければならない。結局いけ上がった頃には花が見る影もなく似んでしまっている。投入の花瓶も重心が下にあって、氏の広く大きいものをえらび、まず主役の大枝をどうすればしっかりとめられるかよく考えなければならない。泊識的なことなのだが、案外無頓着に花器をえらんでしまう乙とがあるようだ。形と色調のよさにひかれて不安定な花器に重い花材をいけてみたくなったりするが、安定させるため反対方向に余分な枝をさし出す必要ができたりして不満足な結呆K終る乙とになる。花器に花をしっかりとめるのがいけ花の卸一条件なのである。司咽・ート葡萄花器3

元のページ  ../index.html#95

このブックを見る