テキスト1984
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るοそ乙の日本の竹の最高権威、上田弘一郎今年の三月号に竹と桃、椿の盛花を掲載したが、いけたのは一月の末で、四月の初めまで、内玄関の水溜めの中で青々として、まだ枯れる様子もなかったu竹の節に小さな穴をあけて水を注ぎこむだけという簡単な水揚げだけで、あれだけよくもったのは、よほど竹の性がよかったのかなと思っていたが、先日素子がたしかめてきてくれたととろ、それでいいのだそうである。京都の洛西ニュlタウン花、竹林公園があ博士にお聞きしてきでくれた竹の水揚げを要約すると、竹は品天に切り、すぐ適当に枝葉を間引き、節と節.の聞の上の方に小穴を二っとつはガスの出円、一つは注水口)をあけ注射器でたっぷり、真水を注ぎ乙むuそれけでよい。夏なら切る前に立っている竹に注水してから切ればしおれを防げる。切る竹は二、三年生までの若い青竹を選ぶ。水は真水に限るそうで、砂糖水等、濃度の濃くなったものはかえって、植物の中の水を出してしまうことになるという。今月号は丁度七月七日に撮影したので、七夕祭用に花屋で売っていた竹をいけてみた。切ってから大分時間がたつていたようだが、竹薮で切口を焼酎をうすめた水にひたしてから持って帰ったそうで、理に適ったやり方である。葉の状態は良好である。いける前に枝葉を半分位まですかし、挿してから更に重なりの多い葉を整理する。花瓶の口が広いので、図のような配りをかけてとめている。竹に一本、為朝百合に一本かけておけば他の花はこの配りを支えにしてとめる乙とができる。娘達も大きくなって、いっとはなしに忘れかけていた七夕祭を、テキストのため竹をいけたお蔭で思い出し、小さかった頃の乙とを二人で話しあっていたようである。花の色をひきたて、水際をととのえ、或いは全体の形に変化をもたせるために、色々な緑の葉が用いられる。二作を例にとって使い方の変化を考えてみよう。まず私が粟をいけ、その形は変えないととにして、先に③さんにアンスリュlム二木と、鳴子百AH五本をそえてもらった。随分いけにくかったらしいが、そのいけあがりは@図となった。@さんのアンスリュlムと鳴子百合を抜副材としての葉物竹の水揚げだ¥& 8

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