テキスト1984
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ほざきなな酔まど今年も庭の薄が青々と茂りはじめた。梅雨を迎えてそ乙ら中新葉が生き生きし、若枝同志が枝を張りあっている。板屋楓の大きな葉は十二センチにもなった。去年の秋植えた蔓うめもどきしゃくなげ栴擬も元気で山茶花や石楠花に蔓をまきつけて成長している。いけ花展の残りの花材を所かまわず植えているので裏庭はただ木が茂っているだけで、庭の形はなしていない。何とかしなければと思っているのだが次から次へと根付きの本や草花が展覧会ごとに返ってくるο変なもので、いけ乙みで散々切りちらかした花材も、持ちかえってい院に植え、それが育っともう切れなくなってしまう。薄一本でも惜しい。必要以上には絶対切る乙とがない。それも考えた末の乙とであるリ椿等はよくよくのことがないと切る気にもならず、わざわざ同じ栴を花屋に買いに行く。久しぶりにアンセミスを見たので早速いけてみた。真直な草の頂部にLHっぽい黄色の泡をかためたような花がついている堅い感じの花である。軽く柔らかな穂咲七竃、しなやかな絡をそえると、アンセミスもうるおいをみせる。くすんだ黄色と自の対比を薄の緑がきわ立たせる。花材アンセミスね咲七竃花器銀彩角瓶8 /

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