テキスト1984
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うすばた深みや山まな南んて天ん花器銅製ワインクーラー花器として使った乙の銅製のワインクーラーは、ピカピカに磨き上げられている。いけ花には敬遠されそうな花器だが、自然風な季節の花をとりあわせていけてみるとよくおさまっている。花器の艶に対して鹿の子行人いの亦も強いが、その問の深山南天のさわやかな緑で程よい色調にやわらげられている。鋼の花器といえば、従来は古めかしきの感じられるものばかりで立花瓶、砂鉢、薄端等は勿論、スペインや、ドイツ、イタリアから輸入されている雑器にも何らかの加工で古色がつけられたものに花がいけられていた。もし金ピカの花器を使うとすれば、何か特別な意図のもとに、引いト上げられるいけ花に限られていたようである。主材にした鹿の子百合は、あざやかな桃紅色で香りが高い。花弁は強くそりかえっているが、ひろげると直俸が二十センチ以上になるο花は対生したようにつき、下の方から聞いて行くので、一つの花を前向きにいけると、一つは必ず後向きになるが、かまわずいければよい。初夏から鹿の子百合の仲間の鬼百合や、それらの闘芸品種の、色さまざまの美しいものが花屋のショーウインドーにあらわれる。明るい緑を軽やかにそえて二種いけで、香りと共に、その優しい花の色を、きわやかに部屋に飾りたい。@第一日八月二十日⑮第二日八月二十一日@両日共午前十時より午後四時まで@烏丸六角家元稽古場にて昨年秋師範会の主催で立花の講評会を行なったが、それ以来毎月の家元講座とは別に、臨時講習会をしてほしいという要望が多いので、右の両日を予定した。第一円は草花を主にした立花。第二日は枝物を主にした立花と、講習内界を変え、両日共定員は十名ずっとし、名自一瓶いける。講習料は一日一万円(花材質別)で、先着順巾込を受け付ける。左の立花は、白木いけばな芸術展三人府山品作仙渓孟子棲子立花実技入門講座鹿の子百合3

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