テキスト1984
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己めつつじか・りまつわいしんrバか−hvまつEめつつじじやり十タ仇ツ落葉松林の中から、初夏の山てを見上げる。私には見慣れない景観である。秋には黄葉し、落葉する。者一斉に芽吹いた頃の柔かい、切るい縦は、他の広葉樹の若葉とは少し趣がちがう。落葉松lラクヨウショウーと書いて、カラマツと読んでいるが、もとは、産地の名を冠して、宿士松とよばれていたυそれをい新葉の形が、中国の絵画にでてくる松に似ていると乙ろから、麿松lカラマツ!と称されるようになったという。だが樹形は普通、屈曲したものではなく、直立した幹から枝が水平にはり出した若々しい感じのする松である。いけ花展では屈曲した束洋画的な落葉松が用いられているが、それは森林限界以上の高地で生育し、這松状に姪性化したものである。百士山の五合目あたりには、見飽きのしない変った樹形の落葉松があるが、同立公園内の、大切な樹種として、手厚く保護されている。米鴎闘は深山の岩場に野生している。葉は五ミリ位、下で目立たない。北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島に分布している。地味な勝間だが、古典的な立花や自然調の大作に好んで使われる花(唐松)材であるυ落葉松と米蹴闘を大きな明時代の水盤に挿してみると、そのとりあわせにはやはり和種の季節の草花が良い。優しげな笹百今、桔梗、撫なでし子ζ、それに下平として羊歯をそえている。水維の左側は大きく、右側は少し小さく株を分け、真中をあけ、水面を見せているοそ乙へ、白河砂(風化した花嗣岩の砂利)でも撒いておけば、作川の流れを感じさせる日光松とかこともできる。このような写景的ないけ花は、水盤にいけるが、深山を感じさせる老木と山草、静かな池の端の水草を何種類かいけあわせるとか色々考えられる。いずれにしても、味のある花材をえらぶべきで、八ム闘の花壇を切りとってきたようなものは写景的ないけ花とは言っていない。静かな古い日本の風土を表現するようないけ花を、写景花、或いは景色花とよんでいる。しっかりと風景の神髄をつかむ乙とができれば、立派に向分の自然親がそ乙にあらわれるom庭れはまだ景色花とは言えない。花材落葉松米蜘踊花は一センチ以笹百合花器大水盤(大明嘉靖年製)撫なで子し桔梗羊歯しだ野山の自然のように見えるなら、そこのガラス花認は、無色で、表面が摺ガラスで思カット校様が刻mのまれている。そして少しいびつな前壷である。厚みがあるのでどっしりしており、内部がぼんやりとしか見えないので、無色のガラス器としては、旦一も相当多くまでいけられる使いやすさがある。じやり底にガラスの砂利を敷いて剣山をのせ、花をとめている。色の対比のはっきりした花で、真白のコスモスと、黒っぽい程の濃紅の鶏顕である。白という色も、乙ういう色のとりあわせだと、中々強く感じられるもので、五輪の優しいコスモスも、重量感のある鶏頭の下で強くその存在を主張しているように見える。コスモスは葉を三分の二ぐらいとっていけないと、三木、五本と数がふえてくると、細い葉が大きなかたまりになって、花の可憐な怪やかさを失ってしまう。鶏頭の葉は水場げの惑いものだが新鮮なものを手早くいければ心配はいらない。それでも半分ほどは整理して菜が見えるようにしておく。深紅の鶏頭は、花の色を少し淡くしたような葉がついているので、色の変化が美しい。花材浪紅色鶏頭白コスモス花探星型カットのガラス一府壷〈表紙の花E〉落葉松2

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