テキスト1984
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石山今年の華道京展は第お回の記念展だったので、山品者数もふやし、合作席に大きな花をいけたりしたので会場は例年より変化があって、来観者に好評を得たようである。私は紅白の木瓜の立花を前後期を通じて出品した。此頃はずっと和則に手伝ってもらっているが、私も父の花をよく手伝わされた。父は厳格そうな風に見えたかもしれないが、花を手助けしている時は案外優しく叱られた記憶は少ない。かえって私の方が和則によく文句を言うのではないかと思える。前期は、概子が紫色の大輪のオンシジュlムと白いガーベラ。花器は大きなボヘミアンカットのパンチボウル。花器の透明感と花のクールな色彩がよくあっていた。中原さんは赤と白のアマリリスに、大輪の黄色いオンシジュlム。竹内さんは木瓜をそれぞれ同じ作家のブルlの変型花器に。八木さんはギリシャの白壁を感じさせるような白い花器に、カラベラと胡蝶蘭。四作並んでいけたが、桑原専慶流らしい色彩計画が感じられた。後期には、大西さん、久保さん、野口さんの三人が、大きなステンレスの水盤に雪柳を群がらせ、緑色の海芋、白い海芋を林立させてみた。水際は、フィロデンドロンでまと八華道京展後記VAUわせにも熱が入る。想い描いていめ、海芋の足もとには、デモルフォセカ等を毎日挿しかえている。ため、ステンレスの水離を二つ使っている。大きい方には水だけいれ、小さい方に花を挿している。鏡のように磨き上げたステンレスに水を張ると、いけた花がやわらかく映って見える。そして花は中にいれた小さい水盤にいけているので水が汚れない。その辺が乙の花がより美しく見えた理由である。主になって山品してもらっているυ花曜会は御存知の通り、会員各向が好きな花を買ってきて、白由にいける研究会である。荘籍年数はまちまちだが、大体入会して二、三カ月たのか、という傾向が分かってくる。自分の選んできた花が思い通りのいけ上がりになるとは限らないが、成績のよい月は、小さないけ花展といてきた華道京展なので、山品作の打る花が、他流の花の並んでいる中でどのような効果が期待できるか、と会の四十年近い積み重ねが支えになって、桑原専慶流らしさを失わず、年々変化のある花がいけ続けられている。乙のいけ花は、水を美しく見せる華道京展は、毎年花曜会の会員がつと、その人がどんな花をいけたいってもいい程の見応えがある。そんな研修会が中心になって続いいう判断は中々難しいが、幸い花隈フィロデンドロン71 緑海芋白海芋花器ステンレス鏡面仕上げ水縦二百デモルフォセカ他~ 三ヨ

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