テキスト1984
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−つ民ぞ元、−えだどり(留流し)花器トルコブルlコンポート今月の生花は、五月号には月遅れな花材であるが、私のいけた山菜英と、和則のいけた小一旦柳を対照させながら、生花について色々なことを書いてみよう。まず最初に乙とわっておくが、乙の二瓶の生花は三木会の生花展のために、三月八日にいけたものである。今年は寒さが長引いたので、乙の原稿を書いている四月二十日迄、約一カ月半、何とか見られる姿をとどめていたu乙の原稿を書き終ったら片付けてしまおうと思っている。山菜英の方は左勝手(逆勝手)の勝手)で行引》内副が軽く一本加えられている乙の山菜英は古木とはいえないが、かなりひねた変化のある長さ2メートル程の枝一本から枝取していけたものであるυ最初に一番よい枝ぷりがどれなのかは使う位置は考えないで選ぶ。乙の生花ではそれが留に向いた枝だった。山菜英が満開忙なると一本の木全体が黄色く、ふんわりしたかたまりに見える。そして花の少ない痩せた下枝がつき出ている。丁度留のような形であるととが多い。留から上の方は前述したような山菜英の姿をvつつしたいのだが、少しひねた枝なので、留にえらんだ部分以外は小枝が多く、花も充分ついている。真から副、胴にかけて都合のよい枝が残せた訳である。真、副、留と太くて、はっきりし形の作れる枝ができれば、後はそえる小枝をつけ加えればよいだけの事となる。残り枝の中から長いものは見越、真困、胴に使い、短い小枝は総回、留の沈みK余るほどとれる。太い枝物の生花は枝取りさえ入念にやれば案外いけやすいものであるといえる。山菜英は若木の枝をいける乙との方が多い花材だが、若い山菜英は乙の作例のように屈曲した形にはいけない。普通より高めに真をとって、のびやかな形にいける。あっさりしたいけ上がりで、しなやかな曲線を生かしたい。生花、或いは立花忙しても、その草木の自然な生育状態を無視する乙とはないが、又型をも度外視はしない。型にはめこむ割合が大きいか、小さいかということだけなのである。古木は古木の年月を感じさせる風格を。若木はその勢いを。草花のやわらかなみずみずしさ、それらは型の巾でも決して死にはしない。今月の生花二作のうち、山菜英は古木の風格を自然風に。小豆柳は端正な「行」の型にとじ乙めてみたが自然の息い向吹島きは失われていない。ζの小豆柳の生花は、三木会の各出瓶者のいけとみの終った後、和則が夜中の十二時頃から明け方の四時迄かかっていけ上げたものである。νう草そ型の留流しυ小豆柳は右勝手(木莱ぷ6 頁ゅ山i

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