テキスト1984
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るυ太陽の光の下で見る板屋楓の新緑四頁の作例は、アカシアと君子蘭二種だけのとりあわせだが、君子蘭の朱色と、アカシアの黄色が応じ合って明るく、カラフルないけ上がりである。君子蘭と、季節の青葉の代表的な板屋楓をとりあわせてみると、案外清涼感のあるいけ花ができた。多分それは緑の分量のせいであろう。板屋楓の大きな葉が、乙れだけ多量にそえられると、君子闘がその樹蔭に咲いたように感じられる。そ乙へ水草である縞太蘭がそえられ、水面を花器の表面の三分の一位見せると、益々清涼感がましてくるυ板屋楓は外の強い太陽光線の下で見ると、葉が光を幾分か透すせいで、その重なりは明るさに助けられて厚ぼったさは感じない。ところが室内の光線の明るさだと、下蔭の葉の色が附くなるので厚ぼったく見えの色を、室内にもちとみたいなら、葉を・つんとすかさなければならないようである。そうしないと楓の清涼感と緑のみずみずしさが生きて乙な乙の作例を4頁とくらべてみると君子蘭も、とりあわせによっては暖かくも、涼しそうにも感じさせるととができることが分かると思う。・君子蘭板屋楓縞太閤・焼縞水盤5 瓶君;子し蘭;

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