テキスト1984
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−v11’LV O そえさそえば鉄線花器。位d、(紫)白色陶水盤JC\ 鉄線は初センチから初センチ。そ晩春の陽光をャつけて鉄線が咲きはじめる。遅咲きの木蓮ととりあわせてみると季節の移り変りが感じられる。永かった今年の冬は、四月の半ば頃、ようやく春になった。桜も雪柳も木蓮も一斉に開いたので、加茂川べりあたりは随分賑やかな眺めで、「おくれた春も悪くないな」といった表情で人々が通る。上の作例は木蓮からいけはじめるが、乙の場合、木蓮は副材である。だから右斜上にのび上がる枝も細く軽いものがいい。長さは印センチそれより短く初センチ程の枝を剣山の右側に前後に挿し、りは鉄線の葉の入る場所をあけておれ位の長さにすると、支えについていた棒はいらなくなるから5センチ程に切って、鉄線の茎を剣山花挿すとき、針金でしばって副木にすると鉄線は、はじめから釦センチ、初センチと切っておくと、下に残った葉がうまく使える。少しずつ切って行くと、あとで必要な副葉が作れない。次に長さをきめた鉄線の花が水平忙なるような自然な角度に挿す。とんな順序でいけるが、鉄線は手永かった々々、真中あた石しゃ楠〈花なげとかき杜っ若ぱたを明るい白地花銀色の早くいけ、大きくあいたと乙ろへは先に作っておいた副葉でうずめる。乙のテキストが、手紙のように、書き上げて二、三日後に皆さんの手もとにとどける乙とができれば、といつも思っている。花をいけて、写真をとって、文章を書いて、印刷にまわし、発送すると読んでいただけるのはお日ほどたってからげ札なる。だから原稿を書いている頃、桜はまだ咲いていなくても、皆さんの所に届く頃にはもう花が散って葉桜になっている。写真にとる花は四月の初めに五月の花は手に入るが、五月の風物を四月の初旬に書きょうがないのには困っているο四月に見た乙と感じたことは五月号か六月号にしかのせられない。皆さんも御承知の事だろうが残念な乙とである。表紙には五月の花ということで、帯模様の花器にいけてみた。石楠花は濃い赤。社若の葉がみずみずしい緑なので石楠花の花の色も鮮かに見える。石楠花の開花期の葉は前年の古葉で色が悪いので、自然な感じが少し残るという程度まで葉をとってしまう。そうしておいてから他の美しい緑をつけ加えるとよい。その点杜若は葉色が良い上に花の色も石楠花とよくあうとりあわせといえる。白木蓮2

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