テキスト1984
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椿接木副(にわとこ)花器白竹鶴首Z真接骨木と書いてニワトコと読むが、それは乙の木の黒焼を骨折の薬にしたという漢方医学がその由来である。いけ花に用いるのは春の芽出し頃だけで、あとはごくたまに赤い小粒の実のむらがる秋のはじめにいけるくらいのものであるυ温暖な山野に自生する落葉樹で枝の分かれ方に接骨木の特徴がある。白然な生長をした接骨木は枝が節々で屈曲して分かれて上にのび上がるυ太い主枝から出る細い枝をよく見定めて形をきめると、一瓶ずつ変った形の生花ができる興味深い花材である。この分かれ枝をうまく使わないと紫あい陽νS花Hの軸のようで、接骨木をいけたという感じがでない。作例でも太い主枝から細くのび上がった多くの分かれ枝をとり去ったり、短くして形をととのえている。副の枝先の分かれ枝も真と同じ位の高さのものを写真のように縮めているο柔かい枝なのだが、れ連んき麹ょうと同じように枝の中がパイプのように中空なので読めはきかない。又よく時期を考え、芽出しをはじめてから少したち、葉が少しのびた頃が春先の接骨木のいけ頃である乙とを頭にいれてお乙う。葉が生長し花の咲く頃は水場げも悪いし、反対に黒く固い芽が聞かない聞はあまり風情のあるものではない。g 円・・56

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