テキスト1984
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ーいkn】jLふ什’ りん白格花器日蔭吏角水盤桃の花には、むずかしい注文をつけない方がよい。立花時勢粧でも||変りたる花型もできざるものなれどーーと言っている。考えてもみよう。果物として桃ほど芳醇な味わいのあるものは他忙ないuその美味を想像させるのが、その花なのである。梅の枯淡な姿、品の良いほのかな香気は、私達の心に歳月を経たものの持つ原とした気高さを感じさせるν桃にはそれはない。そのかわり、甘い豊か・5がある。ギリシャの神々の美酒をネクタ!というυ桃の一一律にネクタリンとよばれるものがあるν神々の美柄にたとえられる味の美しさ故に名付けられたのであろうu西遊記の第五回の章は「乱川桃大型倫丹」という有名なくだりである。中国から京劇がやってくると必ずこの部分が演じられるο天帝は乱暴物の孫悟告を懐柔するため、西王母の播桃園の管理人の役職を与えるが、だまされたと知って大暴れする場面があるuそこで政の孫悟担が仙桃を盗み食いするが、李光(京劇俳優)の演技は愛らしく美しい。桃乙そは神々の果物、最高の美味と我れを忘れて夢中で食べつくしてしまうυ果物として愛されるだけでなく、満開の花をつけた若枝が陽春の青空に向かってのび上がり、桃閑が桃色の雲におおわれたように見えるその暖かな、のんびりした風情が花桃としていけ花でも什から愛されている。上の作例では竹といけあわせてみたが、花の桃色が竹の幹の線にひきたてられて、鮮かさをましている。桃の枝ぷりは立ち上がった幹から小枝が印度位の角度で分かれから直上するοどの枝も一様で変化はないが、技に点々とふくらむ菅は桃独特の美しさである。だから桃の向然な姿をとりいれていけるには、枝を交差させず、少しふくらみをみせるような形に平行に近く線をそろえていける。桃の樹幹はひび割れがあり、そとから樹脂がふき出していて美しいものではない。だから樹幹を用いるような大作向きの花ではなさそうである。竹は細手の真竹を使っているが、竹の幹の青々として美真直で若々しい拶S竹8

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