テキスト1983
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恥Mm4Uのろいちはやその植物的向然は人間が自然を支配するというほどの悪条件ではなかったので、向然を道具と見る乙ともなく、自然に反して戦う必要も生じなかった。きつい労働ではあっただろうが、その収政は点直にお天道様のお恵みとして受けとられ、感謝の気持があった。お天道様だけでなく神様は一杯いたようで、自然そのものが神様だと考えていたのであろう。その神様は尊ばれてはいたが剖合気軽に人々とつき合っていたように感じられる。会社でいえば謀長か、せいぜい部長級ならもう立派な神様ではなかったのだろうか。超自然的な絶対神だったとは考えられない。仏教が入ってきてから、日木の在来の神様も少し栴上げしなければ具合が悪かったようではあるが一神教的な絶対神とまでは行かず、現代にも氏神様としておさまっている。日本の神様は日本の国土が住みよい所らしいと天から降って来たのであり、自然を全面的に肯定し、いつの間にか子孫は人川になってしまっている。一方山約型書では、神に似せて創られた人間はエデンの園におかれ、幸せを与えられていたが、アダムとイブの失敗で楽閤という起同然の中から地上という詞われた’円然の中に追放された。そして汝は自然を支配し、その向然の長となれ、という取り消されなかった神の命令と保証によって、人は自然を改造し、人の役に立つように試みなければならないのである。自然への順応は−認められていない。円本の陪尉は向然を凝縮したような感じが求められ、水もできるだけ自然な流れを作る。それとは逆に加水と幾何学的な形に象徴される西欧の庭園は悪しき自然を改造するといった思考を感じさせる。自然と人川がかくも対立する世界では両らかに人間性||それは神に逐われた地上にある人間の務めとしてーーを山い上げるζとが美であり善であり、真であろうが、乙れは有難い所に住まわせて頂いて、と感じられる風土に生活してきた民族にとっては怪けげ苛んなものであらねばならない筈のものである。だが自然が大きな恵みを与えてくれる風土にれ3りしていても、病気や天災も避けてはくれない。それらから身を守るには、自然をはじめから敵と考えて防御し攻唱する方がより手っとり早く効呆をあげることができる。近世に−主って西欧的’同然観の上に立って科学的手段は大きな成以をあげ、世旧介を政治上でも、以恕上でも支配するととを得たυその文化を見習いたくなるのは当然の乙とであろう。そ乙で臼木は逸早くそれを知り、その成果をとりいれようとしてきた。そして先進同の仲間入りも反した。だがどこかに述和感があるらしく、明治の開国前後から国粋主義と欧化思想が短期間に何回もいれ変っている。芸道の世界でも同じ乙とがくりかえされているようであるが、未だに能架は能楽らしく、歌舞伎は歌舞伎らしく泌じられた時に人気を得ているのは、その違和感の解消のためであろうか。そして国際化が進むにつれて、円木人は日本人であるという白党が深まりつつある。国際的に活雌し、伝統を矧念の中で遮断したと信じていた日木の別代幽家の述怯だが「まったく奇妙な乙とに、私自身は、自分の作品を外国の展覧会で見たとき、そのあまりに日本的な感性から逃がれられない乙とを、いやになるほど知ったのである」というのを山くと、判かをつくり山そうという世界では、白木という国の血を思い知らされる。ζれはその人一人の述懐ではない。大多数の円木の芸術家が外同に行って感じるらしい乙となのである。ヨーロッパという風土の中で育った信条、その創造竹によって表引されるものと、白木人のする乙ととは何らかの違いがあって当然であろう。昨今日本でも基礎科学に力をいれようと二一一日う声が大きいが、科学的な創造も西欧的な門然観の上に立ってこそ可能なのであろう。日木人が何か大きな創造をなし得るとしたらそれはH木的な発想の上からでなければならない。それは西欧的な意味での進歩につながらないかも知れないけれども、世界の科地の特殊性に価値を見出そうとする現時代には大切なことだと忠う。H本の伝統技術も一頃はその価値を不当評価され、後継者の確保さえ覚束なかったが、少し持ち直して来た観もある。職人的な芸が見直されてきたのであろう。一芸に徹することでその道をねるという乙とが白木の芸道であるとするなら、それは非常に求道的な面をもっているものと言える。一道を得た者の世界は広く剣禅一如という一←一一日集もその辺を一不すので&のろう。それは科学の世界では中々難しいことであろうが、芸の世界ではすぐにでもなし得ることである。私がただ感覚的に手あたり次第読み、そして又色々な日本の芸から感じとったい中州を文立にしてみたが、論判むといったようなものである。乙乙まで日本人の自然観というものをそのようなやり方で記してみたが、次回では「型」を中心に私の考えを述べてみたい。部(すすき)鹿の子百合杜鵠(ほととぎす)(魚寵)花器5 /\I

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