テキスト1983
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ててまるほんはぜ夏なつはぜ花器褐色粕花瓶つつじ夏櫨は私達にとっては初夏から秋にかけての花材であるが、山村では黒く熟した尖が子供述の舌を山本しませてきた植物である。だから夏櫨の実には多くの地方名がある。丹波では父丸とよばれる夏櫨の実と嫁よめ即きらとよばれる夏櫨と同属のシャシャンボの実が親しまれてきた。信州では秋になると前径6ミリ位のブル!の実をむすぷ巣豆の木があり、浅川葡萄とよばれジャムが作られている。他に苔桃、川正式ハ桃等があり夏櫨と共に蜘燭科のスノキ属の落葉低木である。いけ花に用いられている瓦櫨を花崖では、葉の大きいのをお多福、葉の小さくしまったのを木櫨とよんで区別している。木櫨の方には山から切ってきたものではなく栽培された立派なものもある。校ぷりはまちまちではあるが、古い立枝は上部が笈のように開いているものが多い。立にはそのような形の枝を使うと夏櫨らしい姿を表現する乙とができる。一川、開花は横枝を用いないと葉が縦に立って不自然な形になる。岐をよく見きわめて、ど乙をどう携めれば何の枝が作れるという点では校どりの栴古にもなり、型にはまりきらない枝を使うことで生花としての野趣を知る手がかりにもなる。いけて行く手順として良、一川、留の他にどんな枝が必要か、又手にした一把でどれ位の枝数がとれるのかをよく計算し、水際部分の不必要な枝はとるが少し余分かなと忠える小枝は残したままいけはじめる。大体の姿が出来はじめた時点で必要のなくなった枝を切りとれば良い。葉の重なり過ぎた個所では枝先の大きな葉からとって行くと、よくしまった小業が出てくるのでそれを残せば緑の豊かさを失わずに均整のとれた生花にいけ上げることができる。一種挿の他に草花といけ合わせるなら季節の野草をとりあわせるのが良く、それも小ぷりで優しい花にしたい。6 十虚

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