テキスト1983
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サ鉄線’LV そんな私にも好きな花が随分ふえ10 グロリオ!サを初めて見たのはもう日年位前のととだと思う。その頃からいけ花の道K入ったのだが当時は知らない花が多かったというよりも、知っている花がなかったと一斉ってよい程である。花を知るといっても、ただ単に花の名前を覚えるといった程度と、花そのものと深くつき合ってこそ知り得る何物かを感じとったというのとでは大きな追いがあるο私の場An花の名前を少し覚えたという段階らした。鉄線はどんな色のも好きなので展覧会にもよくいけている。鉄線は水揚げも良く、回数もよく保ってくれる。一度水が撮がれば、いけ花展の条件の悪い場所でも一過問美しく咲き続けてくれる。その上花の向きが少々悪くても二日目位から説えたような形に向き直る。だから鉄,料はいけ上げた日から二円目以後の盗が良い。私達がいけている鉄線は主しく呼ぶならクレマチスなのだが白、紫の他にも色が多い。変り色のクレマチスは鉢植物としてしか手に入らないが、本いがからみ合っているので折れやすく、従って水場げも悪い。有難い乙とに最近淡いブルlのクレマチスが切花用に栽培されており、との析のものは実が長く水揚げが良い。尖際にいけ花展会場で試しているが一週間もっている。乙のガラス器は、カットも模様も入っていず、無色透明なので、いつも注意しているように、水の中の茎を不体裁にならぬようにすることである。きれいに切ったグロリオ!サの本なら見た目も美しい。鉄線とグロリオlサという、蔓物二種のとりあわせで、この花器に調子のよくあう明快な彩りである。花の名前も難しいがもう一つ難しいのは葉物の名称である。注文するのに絵を描いて渡すより手のないものもあるοそれに枯木の似は植物学ピ余桓詳しい人でないと見出もつかない。地球上に引抗野比している植物は約出万柿といわれる。それに血杭や変相、凶芸品川刊が加わればその何倍もの杭知がある訳で、その全部を知る乙とは専川家にも不可能である。私達の手にすることの出来る花はその中のどく一部のものでしかない。でも植物の名を一つでも知っているというととは、その植物をすでに或程度理解しているというととであり、さらに詳しい理解に進む第一歩であろう。週一回のいけ花の稽古で初めて知る花もあるだろう。そして同じように見える他の花との区別がつくようになり倍かではあろうが花への親しみも増してくる。同じ地球の上に生きる生物としての植物への愛情は私達の人生を暖かくするものに違いない。グロオー花器ガラス花瓶(メキシコ)9

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