テキスト1983
22/139

ずわえやぷEうじ花器灰色紬花瓶梅の老木の太い桃枝から垂直に若々しい楚が伸び出ている姿はいかにも梅らしさを感じさせる。花屋に栴を注文すると、一把の中に必ず楚を三本位いれてくるが、乙れは昔から楚を使って梅の特性を強調しようといういけ方が一般に行なわれていたからであろう。立花では太い横校に穴をあけて楚をさしζんで、高々と立ちのぼらせたりするが、生花で楚を使う時は、苔のまわったような老木の克の後に其より一向く垂直にそえるのが一般的ないけ方である。計木で緑の細い新枝が沢山ついているものは楚をそえると色、形北〈に重復するので、その必要はないが、却の稽古として、適当な梅が手に入った時にやってみると良い。楚を使う時には頁を少し低い自に枝どり、楚を本来の真の高さにする。そして其の太い校の後に途中まで楚をそわせ、水際の真上のあたりから垂直ピ近く立ち上がらせる。又真は留側に少しかぶらせるように形どっておくと楚の姿が生きてくる。栴は一恐怖しで充分な花だが、留に何かあしらうなら、椿やよくしまった菊も良い。紅梅なら水仙も美しいとりあわせである。又古風なとりあわせとしては、福寿草、薮柑子、践の蓋・と−フ等が古図にもよく出てくる。いずれも低く、枝葉のよくしまったものを良しとしている。6

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る