テキスト1983
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うυ人工的に作られたものなら、和白っぽい粟粒みたいな実がついていて稲科の大粟還りのような草である。大粟還りはチモシ!とよばれる牧草で明治時代に輸入されているν自然に乾燥させたものなので、色は渋いが、その方が他の花の色と合わせやすい。漂白したり、着色したドライフラワーには色相の変化がなく、つけられた色だけのものになってしまうので、どんな花ととりあわせてもその不自然さが目立ってしまや羊歯は必要ない。き打っておきたいのは、生の花と同様草やドライフラワーにも勢や新鮮さがあって、手を加えすぎると草臥れ紙で作った素朴な椿の造花か、或いは手の乙んだ良い造花らしい造花の方が好きであるο私にはブルーの薄入手直の緑をそえて、クリーム色とピンクのガーベラを挿すと枯草花も来春の芽吹きを感じさせる州いがあらわれるυ秋が終ると色んな枯草が自につくようになるυ枯草やドライフラワーを用いる時の注窓としていじくりまわさない乙とであるο枯てしまうととを忘れないでほしいυ乙の穂は海辺に生える毛鴨の噛に似ているようだが、南米産でフオツクステール(狐の尾)というらしい。フリージアの黄色と良い配色で、乙のとりあわせには暗い緑はよくない。ゴムの斑入葉のようなものが頃合いだろう。フリージア五本の中で葉の真直な三本は二センチほど水切りして形のまま抑し、二本は葉をはずして使っている。フォックステlル(パパ一フ)ゴムの葉は正面を向けて直立させているが、葉柄には割箸のようなものを括りつけておかないと、思ったような向きにとまらない。花器はくすんだピンクのコンポートで、いけ上がりは暖かい陽光を感じさせる。私の家では食卓の端に飾っているが、フリージアの香りが、朝食の時部屋中に漂っていて気持が良い。とれからは締めきった部屋で暮らすことが多くなるが、そんな季節には香りの良い花がいけられているのは大変有難い乙とであるυとくに厨房と居間の続いている暮らしには是非必要なととである。【上図】【下図】人手長チモシlガーベラ花探・茶色変形花瓶フリージアゴム斑入葉フォックステール(パパラとも言う)花器。ピンクコンポートチモシ9

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