テキスト1983
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清緋椿(せいひっぱき)菊梅花器擬(つるうめもどき)以色粕花瓶はT字配りをつけてとめると早咲きとはいっても、初山風や清緋等椿を花屋の飾り窓で見かけるようになるともう中秋である。使半原稿書きをしていると膝のあたりが寒くなってくる。一年阜絶えることなく見かける菊も、その頃には薫りもず同く季節の花としていけたくなってくる。私は未だに菊は秋のものと思っているので秋の菊以外名前を覚えたことがなし。白菊と紅白の花弁の清緋椿の清々しい秋のとりあわせに怪悔艇を少量加えると、とりすましたような感じから親しみゃすい表情に変る。花瓶の口は上で開いて大きくなっているので卜文字配りをしっかりとかけ、更に椿に椿の枝先の重みで安定する。ところで乙のいけ花には舗を四木使っているが、四という字は音が死につながるからと縁起をかつぐ人が居るが、シという音の漢字が一体幾つあるか勘定してみると良い。京都で最も繁華なのはシ条であり、もしシ国へは行かないという人があれば阿足である。下らぬ縁起をかつがず美しい花をいけていただきたい。ー−・−l呈B− :;:;宅,j

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