テキスト1982
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1』最近毎月のように倉敷に出向いている。岡山県本部の行事、県の花道展等の他に、二カ月に一度は岡山地方に残された桑原専慶流の古い生花を岡山県本部の高谷会長に時間を作っていただいて、その型を披露してもらっている。高谷氏は農業が大変好きなそうである。そして自分のいける花は大体自分で育ててみたという経験の持主なので、花の出生について大変広い知識がある。だから自分のいける生花についても昔からの伝承と経験がうまくとけ合っているので説明に強滋賀県の仰木(おうぎ)では西本願寺系の専念寺さんの花講が昔から続いており、報恩講や永代経の際には講中の皆さんで立花を供えておられる。古い話をお聞きしたいとかねてから考えていたので六月十三日に仰木を訪ねたが、専念寺の結城様、花講の中川氏、養覚氏、飛田幸一氏、飛田昇明氏、北村氏、そして堅田の瀬津氏も加わって滋賀県での流の歴史を色々と御聞きする乙とができた。西本願寺系統の各寺院で桑原の立花をもう一度復活したいという要望い説得力がある。だが御人柄が大変明るく、ユーモラスな話し方なので、一桁に花をいけていて大変楽しい。場所として御宅を開放して下さっている原事務局長も大変なこととは思うし、小野さんにも色々と御気遣いして頂いているが当分続けさせてほしいと思っている。生花と並んで立花の流枝会が毎月上野淳泉氏の教場で行なわれているが最近中々出席出来ないので残念なのだが、今回の日本いけばな芸術展の前後期に立花の大作を二人で手がを各地で聞くし、時々講演や講科もするのだが、西本願寺の立花となると、各寺院の奥さんが習得されるだけでは少し無理なようである。仰木のように花講のしっかりした組織があってとそ可能なζとである。乙の辺は枝振りの良い松や他にも良い花材が多かったので各代の家元が随分御世話になっている。先代も養覚氏の案内で松や藤蔓等を切りに行っていたし、菜子もよくついていかされたそうである。報恩講等の立花の松集めは近頃では仰木だけでは足りず湖束や湖南地ける乙とが出来たので少しは不参の穴うめをしたような気がしている。それから倉敷には私の末の妹が嫁いでいるので時々立ち寄るのも楽しみの一つである。義弟は彫金をやっていて話しの面白い人物である。倉敷では秋に三越で岡山県花道展が聞かれる。岡山県の諸流の合同展で、倉敷に門人の多い桑原専慶流としては是非良い花を出さなくてはと皆さん張りきって居られる。とちらからも大勢で見学に行きたい。方まで出かけておられるそうで、どとそとにはどんな松、あそ乙のは胴に向いたのがあるとか、滋賀県全域の松を手にとるように知りつくしておられる。結城さんのお話しによると専念寺に限らず滋賀県の西本願寺系の各寺では仰木に負けない花講を持ち続けている所が数多く残っているそうである。色んな御話を聞いた後、皆様の御招待で仰木の奥で鱒料理をいただき次回九月の初旬に報思議の立花を立てる際に訪問する乙とになった。bc oo 倉敷仰木c,.Q.o <'.!ti てl乙木印叩,A電s( 6月13日〉

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