テキスト1982
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瓶花基本型夏椿鉄線桔梗真留(焼締め茶色三角花瓶)梅雨期になると新聞のコラム欄に出一てくる花として、夏椿、紫陽花(あじさい)があり、必ずといっていい程誰かの短歌がそえられている。別名梅雨椿、沙羅椿ともいう。椿科の夏椿属の花である。椿とくらべて葉の色も明るく、柔いので白い花の姿も涼しげにいけたいが、そのままでは葉が多過ぎるのでいけるまでに充分整理し枝の形がよく分かる位にしておかなければならない。真、副、胴に夏椿を。真の枝も葉を整理するまでは緑のかたまりにすぎなかったが、葉をば位とってしまうと枝の形があらわれてくる。やや左に傾いた主軸から右へ軽くのびた枝は真として少し変った形ではあるが基本型の型をくずすほどのものではないので、そのまま残している。副の夏椿は真がひき立つよう小さく、胴の葉は真、副より多い目がよく、花器の口がかくれる程度は残しておく。留、中間の鉄線は、真の右にのびた枝を目立たせるよう低く右へ流して挿し、桔梗を一輪その聞にのぞかせて控とした。真と副にT字配りをかけただけで他の枝はそのまま挿している。斜体育六主型可ζ、亘,IJ8

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