テキスト1982
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いけ花の却一式の一つに、景色花というのがある。自然の景色をそのままとりこんだようないけ花である。甘は盛花の主流としていけられ、流儀によって色々な名称がつけられていた桑原専慶流でも盛花の中でも写実本意のものを「池中体」「一色体」「景曲体」の三体に分け、基本的な花型としていたが、広い水盤に日本画的な趣きを写しとる乙とに目標をおいている。現在そのままの形ではいけられていないが、それは生花や立花のような型lかたーを重要視するより自然の景観にならおうとした乙とによるからであろう。又その対象になっている景観は長い歴史を重ねる聞に出来上がった日本庭園に見るような洗練され、粗(あら)さをつみとり整担の行きとどいた景観である。自然な風景を対象にしながら、その中から一本の樹、一木の花の姿はとうあってほしいと、一つ一つを取捨選択しながら、まとめ上げたものが日本庭園であり、いけ花の景曲体だったといえる。落葉松深山南天為朝百合桔梗花器・灰白色方形水盤色花体体体二図)池中体太蘭中色曲(ニ図)芋弐月中旬挿花花器、均窯水盤第一図…・池第二図…・・第三図…・・景海産主主右ミ4 γ

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