テキスト1982
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す〈VIl−杜若や花菖蒲をいける頃になるときまったように・つける質問は、花菖蒲と菖蒲の違い。あやめ、杜若、花菖蒲の見分け方である。植物名の解説は乙のテキストでも時々やっているが、和名、漢名がいり乱れ、納得の行くまでに随分時間がかかる。平安時代に中国から本草学が入って来た頃その図録の植物が日本のどれに当るのかをきめた際に多くの誤りがあり、それがそのまま慣用されていたりするので植物名には一口で説明出来ないものが多い。漢字で菖蒲と書いた場合中国では日本でいう石菖(せきしよう)がとれに当たる。又端午の節句の菖蒲湯に用いる菖浦は棋名(中国名)では内菖という。共に現在里芋科に属する植物で花は杵状で、問料の海芋(かゆう)の白い花弁をとったような形をしている。花菖蒲とよばれるアヤメ科の植物とは全然別種のものなのである。||以下菖蒲を向菖とすそれが何故現在アヤメ科に属する花菖蒲と混同されたかというと、白菖の使用の立ち並ぶ姿を織目に見立てて文目(あやめ)の意味で、あやめ、或はあやめ草とよばれていたものが、業の形が白芭に非常によく似ており、しかも白菖と違って美しい花の咲く植物にもその名が用いられーはなあやめ!と呼ぶようになり、花菖蒲のんチがあてられたととからのようである。花白菖ならまだ良いとして花宮浦という字、絞目(あやめ)をあてたのは二市の誤りであったといえる。だから古典文学に山てくる場作、あやめ、或はあやめぐさなら内菖の乙とであり、はなあやめとあればアヤメ科の北を指している。一般的な呼称の花パ山と百柑の追いは芥りがあって花の無いのが菖蒲(正しくは向背ハ)。花があっても昇りのないのが北菖浦と思っておいていただいて間違いではない。端午の節句にはもともと邪気払いの怠味で白菖が用いられ、後に花の美しい花芭紺がいけられるようになったというのが通説のようである。やや乙しい来肢ではあるが一応知っておけば後は通称に従っておけばよい。次にアヤメ、カキツバタ、ハナショウブの迷いを列記してみよう。⑦はアヤメ@はカキツバタ。はハナショウブと略記する。生育適地⑦乾燥地、傾斜地でも良い。@浅い池や、ゆるい流れの浅い川写。浅い池、混地、乾地いずれも可草花としての高さ⑦三者中最も低い@中位。最も草丈が高い①葉②−④①⑦濃緑で細長く中肋脈は不明瞭@黄緑で幅広く中肋脈は目立たないの幅は中位、中肋脈が目立つ開花期花自蒲~ (イU1:本・荒七組〉花菖精4ヰ. 花器ft茶色(金制入深鉢)6

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