テキスト1982
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田?っ。表紙と同じ白花菖蒲だが、早生担の紫のものより白の方が好きである。紫の方は何とか早く咲かせたいだけのために育てられたような感じで、色も中途半端な弱い紫のように白花菖蒲にならどんな色の花をとりあわせても良さそうである。又花菖蒲らしい、すらっとした立姿を賞するには、他にとりあわせる花は一種かせいぜい二種にとどめたい。黒百合は百合科の花だが百合科の中でもクラスの低い貝舟(はいも)属で少し臭みのある花なので、大量にはいけない方がよい。ζのテキストが発行される頃には百合の花が色々と花屋の店K出まわっていることだと思う。笹百合をはじめ自然味のある初互の百合と新緑のとりあわせは、いついけてもさわやかなものである。一昨年から始めた木曜会は出席率もよく、会員もふえ続けている。現在第三木曜日を毎月の研修会としているが、六月から第二木曜日にも研修日を設けて、新入会員を募っている。申込、問合せは家元まで。生花木曜会端午の節句の頃いける花菖蒲は、早咲の切花用に栽培されたものばかりで、本当に良い花菖蒲の咲くのは五月の終りから六月の初旬である。杜若より花の色も多く、花弁も三英のもの、六英のもの、品種の系統も肥後系、伊勢系、江戸系とそれぞれ特徴もあって、興味深い花なのだが、花屋には殆ど出まわらない。好きで栽培している人に分けてもらう以外に入手出来ないのは残念である。ハイドランジァ(西洋紫陽花)は水揚げが悪いので切口を焼くか、アルコールに浸していける。そして盛花としていけるにしても、なるべく深い水のたっぷり入る花器が良い。花菖蒲や杜若の盛花は、花一本に集は四、五枚が必要である。とくに花菖蒲のように花の軸が長いものに葉が少ないと、花そのものが貧弱に見えることがあるので、葉も充分揃えてからいけてほしい。毎年今頃になると注意している乙とだが、花器の中の水が悪くなりやすい。毎朝水をかえるとと。花菖蒲ハイドランジア(西洋紫陽花)花器灰白色深鉢木村感信作〈表紙の花〉花菖蒲黒百令花器茶色斑紋様杯型ガラス器東日9

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