テキスト1982
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フ匂。、UL144/ 『志川l「六日のあやめ(花菖蒲の事)十日の菊」と言う汗葉がある。五月五日の端午の節句、九月九日の重陽的。節句が過ぎてからいけても証文の出しおくれみたいな事だとの意味で、桃も是非二月中に稽古して、桃の節句には御雛様の前を美しく飾りたいものである。雛祭の桃の生花は一一極挿か、留に菜の花を用いるのが一般的である。乙の図ではあまり多くの枝数にせず、分かりゃすい形にいけて参考にしやすいようにした。真、真四、見越、副二本、胴三木総囲三本、留二木、控二木の十五木である。胴から総聞にかけて開花を配し、その花の中から真、副、閣を出してやると桃の枝特有ののびやかな感じを強調する乙とが出来る。桃の生花は変化のある形はさけ、おとなしい行の姿がよくあうが、留は幾分長めの方がよい。乙の季節には桜、梅、桃、よく似通った花木が多い。それぞれをいけ分けられるよう注意深くその自然の姿を感じとってほしい。又四、五月には杜若、花菖蒲、鳶尾(いちはつ)が続いて咲き出す。葉組物を充分稽古出来る季節だといえ木瓜と②花のよくもつ季節だから度々いけかしそうにいけている。又水も充分見せるようにしたのが六月のいけ花という乙とが出来るο七月には「宵山の花」をいけたがテキストの八月号の表紙になっているのがその花の一つである。六月に続いて緑を沢山使っているが野山のものが多い。四月以降は花器の中の水を毎日かえる乙と。小品花のよいものをいけたいのが八月。無色透明なガラス器、花器までにも涼感のほしい月である。九月には八月の名残りをいけている。まだ暑さの続く日差しの中に少しだけ秋の感じがすると乙ろをとらえようとしている。秋の中にとっぷりとひたれるのは十月である。野山の草花や実が静かな色を見せはじめ、空気が澄みはじめると一層色も鮮やかに感じられる。枯葉色も下旬からは美しい。十一月は晩秋。紅葉が芙しい。生花も葉闘がしっかりしてくるし、落着いた稽古がのぞましい。家元継承披露で忙しかった月である。十二、一片は合併号として家元継承披露展のととと、新年の花が半々に書かれている。季節K合った色彩がむつかしい。一一月には正月の浮いた気持をしずめるような小品花を主にしている。えてみるのもよい。以上大ざっぱに一年をひろってみたYハυキ正’ν州制hu官 (煤竹寸筒)7

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